ご挨拶

先代より受け継ぐ、伝統の味

当店は昭和元年に和菓子屋として創業し、私で3代目となります。

当店を代表する「みょうがぼち」は、昔から岐阜県本巣郡北方町界隈で、農家の方に農作業の合間のお茶のお供として各家庭で食されてきた伝統的なお菓子です。元々は当店でも家庭料理として作っていたものが、お裾分けさせて頂いた方からの評判を呼び、2代目が和菓子屋ならではの工夫をさらに加えて、製品化致しました。

みょうがぼちの季節は、みょうがの葉が収穫できる期間だけです。
毎年6月頃に販売を開始し、店舗近隣地域の南から北、巣南から根尾、と時期により収穫場所を替えますが、遅くとも9月末までの販売となります。
原材料が、小麦粉、砂糖、そら豆、という非常にシンプルなお菓子のためとにかく良い素材を使うことと、餡の豆をつぶしすぎず、歯ごたえを残して仕上げているのが当店のこだわりです。
販売開始後の走りの時期には、1日3,000個近くを販売致します。商品名を言わずに「10個下さい」とだけお伝え頂くお客様も多くいらっしゃり、元祖みょうがぼちのお店として、地域の方をはじめ他県からも多くの皆様にふるさとの夏の味としてお求め頂いております。

材料へのこだわりが、お客様へのおもてなし

私は和菓子屋の3代目として生まれ、何となく跡を継がないといけないから仕方ないな、それぐらいの気分で、静岡県の島田市の和菓子屋に修業に行き、修行先で食べた生クリーム、クリームチーズを使ったお菓子に衝撃を受けました。
今でこそ洋風の和菓子は珍しくありませんが、その当時はまだ洋風の素材を取り入れたものは少なく、「こんな和菓子は食べたことがない、こんな和菓子を作ってみたい。」と自分の中の和菓子の概念を壊されたことを昨日のように思い出すことができます。

みょうがぼちは先代が創り出した、いわば完成品の味。
もちろん伝統の味を守ることは大切ですが、それだけに留まらず、もっとお客様に喜んで頂けるものをご提供したい、新しいものを創りたい、という気持ちは、修行から十数年が経った今でも全く変わりません。
特に、出来る限り良い材料を使うこと。自分が食べておいしいと思うものだけを作ることは譲れないこだわりです。
ひょっとしたら材料を変えても分からないかもしれませんが、お客様に対する誠意やおもてなしだと、だからリピーターの方に支えて頂けるのだと自負しております。

一般的な和菓子屋さんにはあるけれども、当店ではお取り扱いをしていないお菓子もあります。正直に申しますと、私のわがままです。
それでも、自分が食べたいと思うものを、良い材料と手間暇をかけて作って、お客様に喜んで頂き、おいしいと言って頂く、それこそが職人冥利に尽きるのではないでしょうか。
流行りものやたくさんの種類のお菓子をお出しできる訳ではありませんが、これからも、1つ1つのお菓子を丁寧に、お客様のおいしい笑顔のためにお創りし、お届けし続けたいと思っております。

菓子創り人 豊田喜美治

 

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